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知念実希人著 祈りのカルテ 「カルテが教えてくれました!」

知念実希人さんの小説 

ただほん
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こんにちは、ただほんです。

今日は知念実希人さんの「祈りのカルテ」について書いていきます!

 はじめに

知念実希人さんの本はいくつか読んでいたのですが、今回キスマイの玉森裕太さん主演でドラマ化されたので読んでみました。

なかなか読みやすくて深い小説でした。

ドラマの中では、主人公の玉森裕太さんがカルテを見ながら、謎を解くシーンが印象的でした。

文字が画面に広がり、パアッと開けて謎が解けます。

そして、決めゼリフ!

「カルテが教えてくれました!」

謎は解けた!

気になったのは、原作でもその決めゼリフ「カルテが教えてくれました!」があるのか、です。

小説を読んだ結果ですが、一言も「カルテが教えてくれました!」はありませんでした。

つまり、ドラマだけのセリフでした。

キスマイ玉森裕太さんだから許されるのかな?

個人的には違和感ありありですが…。

皆さんはどう思ったでしょうか?

ただ、ドラマも(三話までは)中心の内容は小説と変わりなく見れましたよ。

玉森裕太さんもはまり役でした。

面白かったです!

さて、小説を見ていきましょう。

 祈りのカルテ

 あらすじ

新米医師の諏訪野良太は、初期臨床研修で様々な科を回っている。ある夜、睡眠薬を多量服薬して女性が救急搬送されてきた。離婚後、入退院を繰り返す彼女の行動に、良太は違和感を覚える。彼女はなぜか毎月5日に退院していたのだ。胃癌の内視鏡手術を拒絶する老人、心臓移植を待つ女優など、個性的な5人の患者の謎を、良太は懸命に解きほぐしてゆく。若き医師の成長と、患者たちが胸に秘めた真実が心を震わす連作医療ミステリ!

本書裏より

 ①彼女が瞳を閉じる理由

山野瑠香(やまのるか)は、多量の睡眠薬を服用して救急搬送されてきた。その細い上腕部には、タバコを押し当ててできたような火傷のあとがあった。『あ き ら』。

瑠香には、別れた夫がいた。岡部彰(おかべあきら)。瑠香は結婚時、夫に極端に依存して、夫はそれに耐えられなくて…。

瑠香は言う。「全部あの人のせいなの。ただあの人に……優しいあの人に会いたかっただけなの!」

彼女は毎月救急搬送されてくるが、必ず5日に退院している。

諏訪野良太(すわのりょうた)は、精神科に研修医として瑠香と接していき、その謎を解き明かしていく。

 ②悪性の境界線

諏訪野良太は、外科に研修に来る。

近藤玄三(こんどうげんぞう)は、胃の一部に炎症が見つかり、癌細胞が認められ、早期胃癌の診断がくだられる。

内視鏡による手術が決まるが…。

突然、「申し訳ないけど……手術は拒否させてもらいます」

玄三はなぜ内視鏡手術を拒否してのか?良太はこの謎を解き明かせるのか?

 ③冷めない傷痕

良太は今度は皮膚科に研修に来ている。

暇(ひま)を持て余していたが、そこに熱傷、火傷の患者が運ばれて来る。

右下腿の裏側に重い火傷を負った女性、守屋春香(もりやはるか)。

一日に何度も包帯を変え、洗浄し軟膏を塗らなければいけない。

「これ……、マジで大変だ……。」

一日後、その火傷が広がっている、そんなはずはないのに。

なぜ、守屋春香の火傷は広がっていったのか、良太はその謎を解く。

 ④シンデレラの吐息

今度は小児科に研修に来ている。

喘息発作(ぜんそくほっさ)の子が救急搬送されてくる。姫井姫子(ひめいひめこ)ちゃん、8歳。呼吸困難で救急要請。

お薬手帳からいろいろな薬が処方されているのが分かる。テオフィリン製剤。

飲んでいるはずのテオフィリンが検出されず、怠薬の可能性が大きい。

なぜ、喘息持ちの子どもに薬を飲ませていないのか?その理由は?

 ⑤胸に嘘を秘めて

良太は次は循環器内科に研修に来ている。

2年間の研修が終わろうとしているが、まだ進むべき科を悩んでいる良太。

次の患者は心臓移植待ちの女優、四十住絵里(あいずみえり)。

心臓移植のためにアメリカに行こうとしている。行くまでの治療を行っている。

その中で情報がマスコミに漏れてしまう。

絵里は、彼女の家族、母親や妹にさえ会おうとしない。良太たちにも冷たく接する。

彼女の態度には実は意味があった。

良太は、絵里の謎を解き明かせるのか?

そして、自分の進むべき科を決めることができるのか?

 ただほんの書評!

まず、著者はさすが現役の医師です。

病気や治療のこと、医師のこと、研修医のことなど、とてもわかりやすく描かれています。

今日もニュースで、心臓移植のためにアメリカで移植を待っている十歳の女の子のことを見ました。

親にとっては本当にキツイです。なんとか移植され助かって欲しいです。

円安の影響で5億円以上かかるとのこと、なんとかならないかと思います。

知念実希人さんは、現場でこのようなことをいっぱい見てきたのでしょうね。

現役の医師が書いた小説だからセリフに重さを感じました。

どのセリフだったかは思い出せませんが…。

諏訪野良太の才能は、小児科の上林先生が言っていた「君には患者の悩みを真剣に考え、それを解決するだけの能力と優しさがある。」です。

些細なことでも気づき、観察し、優しい気持ちで考えることができる、それが諏訪野良太の才能ですね。「カルテが教えてくれました!」ではないです。

面白かったです!

ちなみに、ドラマはちょっと突っ込みどころが多い気がします。

病院内を走りすぎるし、個人情報を家族でもない人に伝えるし、勝手に関係者の尾行はするし、ありえない脚本になっています。

先が思いやられますが、小説は面白かったです。次の祈りのカルテ 再会のセラピー」も楽しみです!

知念実希人さんの硝子の塔の殺人こちらもおすすめです!

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