こんにちは、本好き介護士のただほんです。
今日は、現役介護士がオススメする本、にしおかすみこさんの「ポンコツ一家」を紹介します。
はじめに
にしおかすみこさんと言えば、知っている人は知っている芸人ですね。2007年に「エンタの神様」で女王様キャラのSMネタでブレイクした芸人さんです。
最近では、テレビ東京の「なないろ日和!」でリポーターなどをされています。
その、にしおかすみこさんの本です。
家族紹介。うちは、
母、80歳、認知症。
姉、47歳、ダウン症。
父、81歳、酔っ払い。
ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。
45歳。独身、行き遅れ。
全員 ポンコツである。
本書帯より
にしおかすみこさん、SMネタ、そういうネタは個人的には好きではなかったのですが、にしおかすみこさんは印象は良かったです。
久しぶりに、「なないろ日和!」で見たときは、頑張っているなぁって思って応援していました!
その、にしおかすみこさんが言う「全員ポンコツである。」とはどういうことなのか、介護士としてみるとよく分かりますし、大変だと思います。
一言で言うと、面白いポンコツ家族です。
今の時代、認知症の家族がいると、間違ってしまうと殺人などに発展してしまうぐらいの大変な問題です。
四六時中、同じことを聞かれるし、徘徊も意味がわからないし、トイレなども手伝わないと駄目になってくるし、家族の方は大変だと思います。
そんな中、にしおかすみこさんの本を読むと、「泣き笑い」ができます。
では、紹介していきましょう!
あらすじ
何十年ぶりかで、実家の千葉に帰ったにしおかすみこさん。
「ただいま」
月曜日の十一時過ぎだったか。玄関で靴を脱ぎながら、久しぶりの実家臭がゆらゆらまとわりつくのを感じる。……うちってこんなに臭かったっけ?この濁った空気の出迎えのみ。返事はない。……聞こえないのかな。
居間を覗く。昼間なのにカーテンが閉め切られて薄暗い。
以前から雑然としたウチではあったが……雑然?違う、そんなものじゃない。
徐々に目が慣れてくる。
ローテーブルの上に、割り箸が突っ込まれたままのカップ麺や缶詰、茶色いお惣菜がこびりついたプラスチック容器、半分セメント色したミカン、黒炭のようなバナナの皮等々の食べ残し、残骸が溢れている。ちょっとしたゴミ屋敷だ。
本文より
親っていうのは、子供にとっていつまでも変わらないでいてほしい存在です。実家も変わらないでほしいですよね。そんな実家が、親が、久しぶりに帰ったら変わっていた!
ショックですよね。
介護は、変わってしまった親をまず認めるところから始まります。なかなか認めたくないですよね?
現実を受け止めて変わってしまった親を認めるところからです(もちろん変わっていないところもありますので、それも認めましょう)。
にしおかすみこさんは、現実を受け止めて、実家に戻られることを決心しました。
この本はそこからの話です。
2020年6月にお母さんを病院に連れていき、認知症の検査や記憶テストを行いました。そこで、脳の萎縮と初期のアルツハイマー型認知症との診断を受けます。
認知症の記憶テスト、昔、施設の新しい利用者様のについて行って見たことがあります。物を見せて隠し「何があったか覚えていますか?」と質問します。
面白いぐらい何も覚えていませんでした。
でも、もし自分だったとしてもテンパって分からなくなりそうですよ。
そういったテストを、にしおかすみこさんのお母さんもやり、認知症との診断を受けました。
なんか読んでみると、全然暗くないんですよね。
お母さんが認知症でお先真っ暗かと思うのですが、お母さんも、にしおかすみこさんも、明るいですね。
冷凍マグロ
第8章で、「地域包括支援センターと冷凍マグロ」という話があるのですが、「冷凍マグロ」って食べるのかな?
って思って読んでいると、庭でお母さんが脱水で倒れてしまい、「直立不動のまま仰向けで私に全てを預ける母の姿が、冷凍マグロの引き上げに見えてくる。」のだそうです。
ついつい、想像してしまいました。
大変な介護(支援)生活も何か楽しそうに見えてきます。
それは、お母さんのキャラクターと、家族の方たちのキャラクターと、そして、にしおかすみこさんのキャラクターがそう思わせてくれるのかもしれません。
まとめ
ちょっと前に、イオンモールの本屋さんで、売れている本第1位でした。介護をしている人や、介護職の人におすすめの本です。
また、にしおかすみこさんの「にしおかぁ〜、すみこだよぉ〜」の芸風を思い出した人は、ぜひ本書を買って読んでみてください!
懐かしいかもしれませんよ!
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