はじめに
僕が今まで勤めていたところは、ほとんどユニット型の特別養護老人ホームですが、いろいろな職員、いろいろな利用者様がおりました。
今日は、その中から愛すべき利用者様との体験を通して、
介護の素晴らしさをお伝えしていきます!
いろいろな利用者様
①お菓子を隠れて食べる利用者様
そのご利用者様は90歳代の方で、とにかくお菓子が好きで、
ちょっとしたチョコとかせんべいとかを部屋で隠れて食べてました。
なんで隠れてかというと、糖尿病とかで制限がありダメだったのです。
でも、食べているところを職員に見つかり「〇〇さん、ダメですよ!」と
よく怒られていました。
僕は、その隠れて食べている姿が何か愛らしく、ついつい怒ったりは出来ずに
見逃してしまっていました。
②裸になる利用者様
そのご利用者様は80代の方で、仏のような顔の時と鬼のような顔のときが
はっきりしていて、鬼のような顔の時に介助すると、叩く、蹴る、つねる、
など拒否されることが多く大変でした。
ある日、仏のような顔のときに就寝介助で部屋でオムツ交換をしていると
「ありがとう」なんて言って下さって、「おやすみなさい」と部屋を退室しました。
すると、5分後に「助けてください!」と真っ裸で部屋から這いずって出てこられました。
少し、お通じ(便)も出ていて全更衣しなければならなくなりました。
おいおいって思いました。
③息子様だと思いこんでいる利用者様
その利用者様は90代の方で、僕のことを息子様だと思い込み
「〇〇(息子様の名前)、あんたいつ来たの?」「仕事はどうしたの?」
「一緒に連れて帰ってよ」とか言ってまして。
はじめは息子様になりすましてみたのですが、段々と興奮され、最後には
「おまえ!バカか!」なんて言われてしまい「はぁ」ってなってしまいました。
次に、否定してみることにしました。「私はあなたの息子ではないですよ」と
やさしく声をかけ否定すると、「何を言ってるんだ!このバカが!」と怒ってしまいました。
どちらにしても怒って興奮されるので、僕は無になることにしました。
息子様でもなく、他人でもなく、無でした。けっこう難しかったです。
④叫ぶ利用者様
「ご飯食べたい!」と四六時中叫ばれる利用者様がいました。
もうひとつ叫ばれていたのは(オムツの利用者様だったのですが)、
「おしっこしたい!」でした。
ある時、「ご飯食べたい!」と「おしっこしたい!」と連続で叫ばれていると、
途中でその言葉が合体したのです。「おしっこ食べたい!」って。なにそれ…。
⑤100歳になられた利用者様
100歳になられた利用者様がいました。
その方は、戦争の歌(軍歌)をよく歌っていました。なんの歌だかは思い出せませんが。
あと、話すのが好きで「別府(大分県)はいいところで、住み込みで働いていたんだよ」
などと昔の話をされていました。100年分の話があるので話が止まらない!
100年って重みがありますよね。歴史があり、それは自分たちでは計り知れないものがあります。ただ、話が長〜い。
⑥脱走(?)される利用者様
70代の利用者様ですが、杖で歩行され自立の方でした。
帰りたかったのでしょうが、夜遅くに自分の部屋の窓から出て(今は鍵がかかっています)、
そこは2階だったので、非常階段を降り外に出ていきました。
その時当番の職員は全然気づいていなく、警察からの電話で発覚しました。
コンビニの前でうずくまっていたところを発見されたようです。
そんなことが2度ほどありました。
⑦攻撃的になる利用者様
80代の利用者様でした。普段はやさしい感じの方なのですが、認知症のせいで
「わからない、わからない」となり、職員が声をかけると「何を言ってるんだ!」と
殴りかかってきました。最後は、職員に噛み付いて職員の顔を殴ってしまいました。
(ほかの療養型の施設に移りました。)
その方はクリスチャン(キリスト教の人)で、多分若いときから自制して、
感情を押し殺してきたのではないかと思いました。もともとは優しい性格の方だったそうです。
⑧視覚障害のある利用者様(デイサービス)
ちょっと施設から離れますが、デイサービスで働いていたときです。
視覚障害の70ぐらいの利用者様がいまして、杖をつき歩行されるのですが、
僕が近づいていくと、「お、〇〇君だね!」と
足音で誰が近づいて来たのか当てびっくりしました。耳が良いのですね。
よく一緒に散歩に行き勉強させてもらいました。(視覚障害の方の支援の仕方を。)
まとめ
13年働いていますと、いろいろな利用者様と出会うことが出来ました。
どの方も認知症など病気はあれど、個性的で面白く、歴史があり、
かつ愛らしい、方々でした。
介護の技術だけでなく、人としての生き方なども学ばさせてもらいました。
僕もそのように年を取り、愛される人間になりたいと考える今日このごろです!
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