こんにちは、ただほんです。
今日は、『実録』介護の現場をお送りします。
はじめに
みなさん、介護の仕事をしている方がた、日々のお仕事、お疲れ様です。
介護の現場にいると、色々な事件が日々起こると思います。
特に認知症のご利用者様を相手にしていると、いろいろなことが起こってくることでしょう。
今まで僕も、いろいろなことに遭遇してきました。
たとえば、おむつ交換の後に部屋から全裸で出てこられる女性の利用者様や、歩きながら放尿されて近づいてくる男性利用者様、暴れる方、噛みつく方、大声を上げる方、いろいろいました。
それだけ書くと、介護ってきつっいなぁって思われることでしょう。(もちろんきついですが。)
しかし、それらは普通の仕事では味わえないことであり、考え方によっては面白いことです。
人の最終的な形態というか、人生の最後の瞬間に立ち会えるのです。
その人の生きてきた人生、たとえそれが認知症であっても、それらは尊敬に当たることだと、僕は思っています。
とは言えです。やられた瞬間はいらっとします。どうしようかと思いますし。
その中でも、ついこの間、遭遇したのが、飲みかけのお茶を顔めがけてぶっかけられたことです。
飲みかけのお茶をぶっかけられる!
経緯を説明しますと、
僕が務めている職場は、いわゆる住宅型有料老人ホームという施設で、ほぼ自立の方が多い職場です。
ただ、その中でも、認知症の利用者様もいますし、介助の必要な利用者様もいます。
気は使いますが(なんせ、普通の高齢者の利用者様が大半ですから)、特養に比べて、仕事量は少ないですね。
2階、3階に住まいがあり、1階に食堂があります。
その日のことを、細かく説明しますと、
夕食後のことです。
その男性利用者様は、一人食事をしながら新聞を読んでいました。
周りの利用者様は、徐々にそれぞれのお部屋に帰っていき、職員も慌ただしく誘導の必要な利用者様をお部屋まで誘導していました。
そして、その男性利用者様が一人残ってしまったのです。
自分で歩ける方なので、誘導する必要のない方であり、普段はある程度したら自分でお部屋に帰っていきます。
けれども、その日は違くて、なかなか帰ろうとされず、ずっと座っていました。
食事の茶碗等をそろそろ片付けても良いかなと思い、
「おぼん片付けても良いですか?」と聞くと、
利用者様、声を出さず、うなずかれる。
なので、おぼんを片付けました。
(職員)「お茶のコップも片付けても良いですか?」と聞くと、
(利用者様)「いつまでここにいさせるんだ!」怖い顔。
(職員)「お部屋に戻られても大丈夫ですよ。」
(利用者様、立ち上がられ)「そんなことは分かっているんだ!」
そして、僕の顔めがけて飲みかけのお茶をバシャッと!
顔、髪、頭に、お茶がかかりました。
まるで、ドラマのワンシーンみたいに。
いろんなことを経験してきましたが、今までにお茶を顔めがけてぶっかけられたことはありませんでした。
正直、びっくりし、怒りを覚えました。ただ、怒りを利用者様にぶつけても、良い方向には行かないので、我慢しましたが。
お茶を職員にぶっかけた後、その利用者様は部屋に戻っていかれました。
その後、居室から出てきて、女性職員に「私を一人にするなんて扱いがおかしくないか!」
怖い顔で詰め寄ってきました。殴りそうな勢いで近づいてきて。
これは自分が間に入っていかないとと思い、その利用者様に話しかけました。
それから、その利用者様は居室に戻っていかれ、朝まで特に何も問題なく過ごされていました。
ただほんの対応策!
いろんな対応策があると思うのですが、僕ただほんが取った対応策は①肯定すること、②共感すること、でした。
それぞれ見ていきましょう!
①肯定すること
とにかく、変なことを言っていても否定しないことです。
否定すると、利用者様はどんどん興奮して、しまいには暴力を振るってきますから。
自分の身を守ることと、利用者様の身を守ることはイコールです。なぜなら、暴力を振るわれそうになったら暴力で返さなくても、避けようとした結果、自分も相手も怪我をするかもしれません。
なので、とにかく肯定します。
今回の件で言えば、「申し訳ありません。〇〇さんは歩けるので声をかけなかった私達が悪かったですね。すみません。」と言いました。
認知症の方は、被害妄想的な感じがありますから、否定しないで肯定していきます。
(今まで否定することもやってみましたが、「それは違います。そんなことはありませんよ。」などと言っても、結局は興奮されるか、言っても何も意味のないことでした。)
②共感すること
共感とは、他人の考えや意見を察したり、相手の感情に寄り添ったりすること。
相手の感情に寄り添うことは大事です。
今回の場合は、利用者様が感じた「食堂で一人になってしまった、ひとりぼっち、自分だけのけ者にされた」(そんなことはないのですが…)という気持ちを受け入れ、「そうですか。それはすみませんでした。私達は自分で歩けない方をお部屋までお連れしてたのですよ。〇〇さんは歩けるので声を掛けずすみませんでした。」
と共感した感じで対応しました。
その結果、それ以上は興奮されることなく済みました。
まとめ
やはり、人相手なので、ひとくくりにはこうやれば絶対大丈夫とは行きません。
ただ、誰であっても、否定されたり、気持ちを無視したりされると、嫌だと思いますし、逆に気持ちに寄り添い、肯定して共感されると、気持ちが和らぐと思います。
認知症の人に対しても同じで、肯定して共感することが大切です。
ほんと、介護って大変だけど、面白いですね!
(大事な介護の声かけのしかたについてのブログもあります。ぜひ読んでみてください!)
コメント