こんにちは、ただほん です。
今日は、聖書からヤコブという人物について書いていきます。
はじめに
ヤコブという名前は聖書の中でよく見かける名前だと思います。
旧約聖書でも何人か出てきますし、新約聖書ではイエス様の弟子にヤコブという人がいますし、イエス様の弟もヤコブという名前でした。イスラエルではポピュラーな名前なのかも知れません。
今日、取り上げたいのは、旧約聖書ー創世記に出てくるヤコブという人です。
アブラハムの子、イサクの子のヤコブです。このヤコブが名前が変わり「イスラエル」と呼ばれるようになり、今の「イスラエル」という国のはじめになる人です。
「イスラエル」という国が今も中東にありますが、その国が「イスラエル」と呼ばれるきっかけになる人物が「ヤコブ」です。
国のはじまリに関係している人物ならどんなに素晴らしい人物なのか、と思うことでしょう。
しかし、ヤコブはとても狡猾で人をだます人物でした。正直どこにでもいる自分中心の人物、それがヤコブです。ヤコブは、僕であり、あなたかも知れません。とにかくどこにでもいる人物です。
そんなヤコブが神に選ばれ、国の名前になり、国の始まりになる、聖書って面白いなぁと思います。
ヤコブの人生を見ていきましょう!
1,生まれ
ヤコブは、父・イサクと、母・リベカの双子として生まれました。
双子の兄エサウは毛深くて、弟ヤコブは肌がなめらかな子でした。
生まれたときから、兄が母の胎内から出てきた時、兄の足のかかとをつかんで出てきました。
そして、名前の意味は「かかとをつかむ者」です。また、「人を出し抜く者」という意味です。
ヤコブは生まれたときから、「かかとをつかむ者、人を出し抜く者」でした。
『すると主は彼女(リベカ)に言われた。「二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は、もう一つの国民より強く、兄が弟に仕える。」』(創世記25章)
そんなヤコブが兄よりも上になると神様が預言されました。
神様の選びとは、その人がどんな人物か、良い人か悪い人かは関係ありません。
その人のもっと奥深いところを神様は見て選ばれているのです。
人間的に見たら、ヤコブみたいな人を選ぶことはないでしょう。ただ神様は、まだ生まれたばかりのヤコブ(かかとをつかむ者)、何も出来ないヤコブを選ばれました。
あなたも、私も何も出来ないかも知れませんが、神様は心の深いところを見て選ばれるのです。
とにかく、「兄が弟に仕える。」と弟のほうが上になる約束をヤコブはもらいました。
2,だます者ヤコブ
①長子の権利を奪う
狩りが好きで活動的だった兄エサウを父は愛していて、内向的で家にいる弟ヤコブを母は愛していました。
父は兄を溺愛し、母は弟を溺愛していました。その結果、兄妹も仲が良くはなかったと思います。
なにか聞いたことはありませんか?
比べられたり、愛情が兄妹で違ったり…。ダメですね。聖書はそういった人間のだめな部分も隠さずに出しています。
ヤコブは兄がお腹をすかして帰ってきた時に、「あなたの長子の権利を売ってくれたら、このシチューをあげますよ」と言って、長子の権利を取り上げました。(創世記25章)
②祝福を奪う
父イサクが年を取り、目がかすみ見えなくなってきた時に、父はエサウに「お前を祝福するために獲物をしとめ、料理を作り持ってきなさい。死ぬ前にお前を祝福するために。」と言いました。
それを影で聞いていた母リベカは、ヤコブに「最上の子ヤギ2匹を持ってきなさい。私がそれで父上の好きな料理を作ります。それでヤコブあなたが父から祝福を受けなさい。」と言いました。
肌のなめらかなヤコブが、兄エサウになりすますために、体に毛皮を巻き付けて父の前に行きだましてしまい、とうとう長男が受ける祝福も奪ってしまいました。
自分が祝福されるために、他の人を追いやっていく、本当に曲がった人生です。
特に、父と母は、神様の約束も信じることが出来ず、人間的に動き、その結果ヤコブの人生もここから厳しいものになっていきます。
兄から逃げて、母親の親戚がいる遠い国に旅立っていくことになります。ここから、ヤコブの人生は落ちていきます。だました者がだまされる者になっていきます。
3,だまされる者ヤコブ
①ベテルー神のはしご
創世記28章でヤコブがあるところで寝ていると夢を見ました。天から地に向かってはしごがかけられ、神の使いがはしごを上り下りしていました。
「『わたしは、あなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたしは、あなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫に与える。
あなたの子孫は地のちりのように多くなり、あなたは、西へ、東へ、北へ、南へ広がり、地のすべての部族はあなたによって、またあなたの子孫によって祝福される。
見よ。わたしはあなたとともにいて、あなたがどこに行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。』」
このベテルでヤコブは神と出会いますが、ヤコブ自身はあまり変わりませんでした。
②叔父ラバンにだまされまくる
叔父さんのラバンのところでヤコブは生活を始めます。
ヤコブはラバンの娘のラケルが大好きでした。ラケルと結婚するという約束でラバンに7年間仕えることになります。
7年たち、さあ結婚という時に、ラバンにだまされ、ラケルではなく姉レアと結婚させられてしまいます。
「ラケルもやるからもう7年私に仕えなさい。」
ヤコブはラケルのために14年間ラバンに仕え、合計20年間ラバンに仕える羽目になってしましました。
あのヤコブが、兄をだまして祝福を奪い取ったヤコブが、今度は叔父ラバンにだまされ、あやうく一文無しにされるところでした。
神が介入してヤコブはラバンの所から家族で逃げることになり、ラバンも神に言われこころよく送り出すことになります。
③兄エサウとの再会
ヤコブは、兄エサウのことを怖がっていて(だましたから当たり前ですが)、贈り物をいっぱい前の方に用意して、他の人達を先に行かせ、自分を最後にしました。
もし、兄に襲われても自分は逃げれるように…。
さすがヤコブです。
けれども途中、神に祈っていると、神の使いが来てヤコブと相撲を取ります。その人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのももの関節を叩きヤコブの関節を外します。
『私はあなたを去らせません。私を祝福してくださらなければ。』
『あなたの名はイスラエルだ。あなたが神と、また人と戦って、勝ったからだ。』
こうしてヤコブは祝福され「イスラエル」という名をもらいました。
兄エサウと会う時、ヤコブは今までのように、策を講じるのではなく、一番先に自分が行き、ひざまずいて兄を迎えました。
エサウもヤコブと会い、兄と弟の感動の再会になりました。
4,年老いたヤコブ
途中、ヤコブの子どもたちの話になり、ヨセフの話になります。
ヤコブは息子たちにもだまされ、愛していたラケルの子ヨセフをエジプトに売られてしまいます。
そして、ヨセフが売られた先で神に祝福を受け、とうとう総理大臣にまで成り上がり、感動の再会を果たすことが出来ます。
ヨセフの息子たちを祝福するときのことです。
『イスラエル(ヤコブ)は老齢のために目がかすんでいて、見ることができなかった。それで、ヨセフが彼ら(ヨセフ子たち)を父のところに近寄せると、父は彼らに口づけして抱き寄せた。
それからヨセフは二人を、右手でエフライムをイスラエルの左手側に、左手でマナセをイスラエルの右手側に引き寄せた。ところがイスラエルは、右手を伸ばして弟であるエフライムの頭に置き、左手をマナセの頭に置いた。マナセが長子なのに、彼は手を交差させたのである。』
『彼はその日、彼らを祝福して言った。「おまえたちによって、イスラエルは祝福のことばを述べる。『神がおまえをエフライムやマナセのようになさるように』と。」こうして彼はエフライムをマナセの先にした。』(創世記48章)
まとめ
ヤコブは曲がった者、人をだますものでありましたが、苦難をいっぱい通り、その中で練られて、最後には神の声を聞けるようになっていました。
父イサクや母リベカは、神の約束を信じることができず、人間的に兄と弟を取り扱いました。
ヤコブはヨセフの子どもたちを弟のほうが祝福されるとしっかりと言いました。
僕は、このヤコブがとても好きです。
人間的でありますが、逆に人間らしいって思います。最後に神の声を聞けるかどうか、が大切です。
聖書の中には最後に神から離れてしまった素晴らしい人(ソロモン、サムソン、ウジヤ、デマスなど)がいました。
最後が大事です!
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